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外壁塗装の効果的な下塗り回数と塗料の選び方2024.05.31

外壁や屋根の塗装は、基本的に下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りを行います。

1回目に行う塗装が「下塗り」です。下塗りは外壁や屋根塗装の見た目を美しく仕上げるたけでなく、塗料の効果を適切に発揮するために必ず行う必要があります。また、様々な面に合わせた塗料を選ぶことも重要です。

今回の記事では、外壁や屋根塗装における下塗り塗料の役割や種類と特徴、適切な下塗り回数の選び方について解説します。

下塗り塗料の役割と効果

外壁や屋根の下塗りは、高圧洗浄による汚れを取り、ひび割れなどを表面の補修をした上で行います。下塗りは外壁や屋根塗装の美しさや耐久性を発揮するために必要な塗装です。

塗料の密着性を高める

下塗り用塗料は、塗装面と上塗り塗料の密着性を高める役割を持っています。 塗装面に上塗り塗装をそのまま塗っただけでは、密着力が弱いためすぐに剥がれてしまうでしょう。下塗り塗料が接着剤のように塗装面と上塗り塗装を密着させてくれるため、塗料が持つ耐久性や性能をしっかりと発揮できるようになります。

塗料の吸い込み防止

塗装面の劣化が激しい場合、上塗り塗料をそのまま塗ると塗装面が塗料を吸い込んでしまいます。塗料を塗っても厚みが出ないため、塗料の持つ性能を十分に発揮できなかったり、色むらや艶むらがでてしまったりします。

下塗り塗装をしっかり行うことで、塗料が塗装面に吸い込まれるのを防いでくれます。塗料に十分な厚みを持たせて塗装ができるため、塗料の持つ性能が発揮され、塗装面の美しい仕上がりが実現します。

塗装面の色を隠す

外壁や屋根の色を元々の色から変えたいとき、もとの塗装面の色が透けてしまい、希望通りの発色が得られないことがあります。たとえば濃い色の塗装から薄い色の塗装に変えたいとき、濃い色が薄い色に勝ってしまい、思った通りの仕上がりにならないこともあるでしょう。下塗り塗料の中には、元の塗装面の色を隠せるものもあります。下塗り塗料が下地の色を隠すことで、塗り替えによって思い通りの発色やきれいな仕上がりが得られます。

塗料の機能をプラスする

下塗り塗料の中には、防カビ性や防錆性、下地表面を固める、太陽の光を反射する遮熱性能といった機能を持つものもあります。下塗り塗料を使うことで、上塗り塗料の持つ機能にほかの機能を付加することも可能です。

下塗り塗料の種類と特徴

下塗り塗料にはさまざまな種類があり、外壁や屋根の状況や用途に応じて適切なものを選ぶことが重要です。下塗り塗料の種類ごとの特徴を解説します。

シーラー

「シーラー」とは、塗装面と上塗り塗料の密着性を高めたり、塗装面の塗料の吸い込みを防いだりといった機能を持つ下塗り塗料です。「密封・密閉」といった意味を持つ「Seal(シール)」から塗料の名前が取られています。

シーラーは「水性」と「油性(溶剤)」の2種類があるのが特徴です。水性タイプのシーラーはエマルション型シーラーとも呼ばれ、臭いが少ないため一般的な外壁塗装の下塗り塗料として使用されています。ただしコンクリート、モルタル、石膏ボードといった限られた下地材でしか使用できません。水性タイプのシーラーが使えない下地材の場合には、油性(溶剤)タイプのシーラーを使用します。油性(溶剤)タイプのシーラーは臭いが強いものの、水性タイプよりも密着力と浸透性が高いため、下地材の強度を高められるメリットがあります。吸い込み防止力も水性タイプよりも高く、乾燥時間も水性よりも短いのもメリットです。

プライマー

「プライマー」は、基本的にはシーラーと同じ役割を持つ下塗り用塗料です。メーカーによっては、シーラーとプライマーを同義として使用しているところもあります。ただしプライマー塗料の中には錆止め効果を持つものがあり、ステンレスや鉄、アルミなどの金属の下地材への下塗り塗料として用いられています。

なおプライマー自体に錆を落とす効果はありません。下地材に錆が発生している場合は、下塗り前にしっかりと錆を落とす必要があります。

フィラー

「フィラー」とは粉分を含んだ塗料で、シーラーやプライマーよりも粘度が高いのが特徴です。粘度の高さを活かして凹凸の模様がある下地材に使用したり、凹凸の激しい下地を平らにしたり、ひび割れを覆ったりする用途で使用されます。フィラーを厚く塗ることで、下地材の表面に柄や模様を付けることも可能です。

シーラーやプライマーよりも厚塗りとなるため、通常の2~3倍厚く塗れる砂骨ローラーと呼ばれるローラーを使用して塗装を行います。

微弾性フィラー

「微弾性フィラー」とは、シーラーとフィラー両方の性能を持つ下塗り塗料です。塗料の密着性を高めたり、ひび割れや凹凸を平らにしたりできます。塗膜に柔軟性があるため建物の動きに合わせて伸びるため、ひび割れが起きにくいのがメリットです。モルタルなどのひび割れが発生しやすい下地材に多く用いられています。

バインダー

「バインダー」とは基本的な性能はシーラーやプライマーと同じ下塗り塗料です。ただしシーラーは吸い込みが激しい下地材への使用が一般的であるのに対して、バインダーは劣化が少なく塗料の吸い込みが少ない下地材に使用されます。そのため、新築の施工時に使用されることが多いです。

サーフェイサー

「サーフェイサー」とは、シーラーやプライマーの後に使用する塗料です。そのため厳密に言えば下塗り用塗料ではなく中塗り塗料に該当します。サーフェイサーを塗ることで、シーラーやプライマーを塗装した後の下地材の凹凸を平らに均し、密着性を高める効果が得られます。そのため、建物が古く下地材の劣化が激しい場合などに用いられています。

外壁の状態に応じた下塗り回数の選択

一般的な外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りですが、外壁の状態に応じて、下塗りの回数が変更されることがあります。3回塗り以上となる場合の例を解説します。

ほこりやチョーキングが取れないとき

外壁や屋根の塗装を行うまえに、高圧洗浄を行って表面のほこりやチョーキングを取り除きます。ところがプロ仕様の高圧洗浄機を使用しても、ほこりやチョーキングが取り除けない場合もあります。その場合下塗り塗料としてシーラーを全体になじませて密着力を高め、2回目の下塗り塗料を塗っていく方法があります。密着力を高めるシーラーをほこりやチョーキングのある塗装面の上に塗り、さらにその上から下塗り塗料を塗ることで塗料の剥がれを防げます。

下地の劣化が激しい時

劣化が激しい下地は、下塗りを1回しても塗料の吸い込みが収まらない場合があります。吸い込みが収まらないまま中塗り、上塗りをしてしまうと塗料の染みこみやぼやけといった不具合の原因となってしまいます。そこで下塗り塗料を2回塗ることで、塗料の吸い込みによる不具合を防ぎます。

規定で3回以上の塗りが規定されている塗料を使用するとき

使用する下塗り塗料によっては、メーカーの使用として3回以上の塗りが規定されていることがあります。メーカーの規定通りの正しい回数で塗装を行わないと、塗料の持つ正しい性能を発揮できません。塗料のカタログなどを確認し、適切な回数で塗装を行うことが重要です。

上記の理由以外で塗装の回数が多く提案されている場合は、塗料名を検索し、塗料メーカーのホームページからカタログを見てみましょう。

3回塗り以上の場合の工法の事例

下塗り塗料を2回以上塗る、3回塗り以上の工法もあります。3回塗り以上の工法の事例と特徴を解説します。

複層弾性仕上げ

複層弾性仕上げとは、下塗り1回、中塗り2回、上塗り2回の合計5回行う塗装の工法です。塗弾性塗料の持つ高い伸縮性能を長期的に維持できる効果が期待できます。

サイディング2色塗分け仕上げ

まず下塗り1回、中塗り1回、上塗り1回で目地部分全体の塗装を行い、タイル模様部分のみ別の色で中塗り1回、上塗り1回塗装、合計5回塗装を行う工法です。<>サイディングのへこみ部分とタイル模様の部分へ別々の色で塗ることで、タイル調の見た目に仕上げられます。

目地張り付け仕上げ

タイル調に仕上げたい箇所に貼り付けた目地棒の上に、塗料を5回以上塗り重ねる工法です。塗装後に目地棒を取り外すと、目地棒のあった部分と塗装した部分の厚みに差ができるため、見た目をタイル調の仕上がりにできます。おもにコンクリートやモルタルなどの外壁をタイル調に仕上げたいときに用いられています。

まとめ: 長持ちする外壁にするために

外壁や屋根塗装の下塗り塗装の役割や重要性、塗料の種類と特徴、3回塗り以上行う場合や工法の事例について解説しました。下塗り塗料は塗料の持つ耐久性や美しい見た目を維持するだけでなく、中塗りや上塗り塗料にない機能を付与したり、塗装面の色や劣化から塗料を守ったりする役割も持っています。ただ下塗り塗料を塗れば良いのではなく、用途や塗装面に合わせた種類の塗料を選び、適切な回数を塗ることが重要です。

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